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プリント基板組立てコスト

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プリント基板組立てコスト

Jun 21,2024

図1 PCB組立

プリント基板(PCB)の組み立てコストは、多くの要素により構成されています。これらのコスト要素は、技術的な面とプロセス上の面の両方に関わります。

1. 技術コスト要素

PCBの組み立てにおける技術的なコスト構成要素について説明します。主な要素には、材料費、機械・設備の使用料、人件費、テスト及び検査費用、そしてプロトタイプの製作費用があります。材料費には、基板自体の価格に加え、使用される電子部品の価格が含まれます。機械・設備の使用料は、SMT(表面実装技術)やDIP(挿入実装技術)に使用される機器の運用コストを指します。人件費は、設計から組み立てまでの各工程における労働力のコストです。テスト及び検査費用は、完成品の品質を保証するためのコストであり、プロトタイプの製作費用は、設計の初期段階での試作に関連するコストです。

2. 組立に関して

次に、PCB組み立てコストに寄与する要因を挙げます。これには、基板のサイズや層数、部品点数、部品の種類や複雑さ、製造ロットサイズ、組み立て技術の選択などが含まれます。基板が大きくなると材料費が増加し、層数が多いと製造プロセスが複雑化します。また、部品点数が多く、種類や複雑さが増すほど、組み立て時間やテスト時間が延びるためコストが上がります。大量生産と小ロット生産では、スケールメリットの有無がコストに影響を及ぼします。SMTやDIPなどの組み立て技術の選択も、使用する機器や工程の違いによりコストが異なります。


3.SMT工法とは

プリント基板(PCB)の生産技術におけるSMT(表面実装技術)は、電子部品を基板の表面に直接装着する技術であり、電子機器の小型化、高密度化、製造の効率化に大きく貢献しています。SMT手法は、以下の主要な工程から成り立っています。

最初の工程は、ステンシル印刷です。基板にソルダーペースト(はんだペースト)を塗布するために、ステンシル(メタルマスク)を使用します。ソルダーペーストは、はんだ粉末とフラックス(フラックス材)を混合したもので、後のリフローはんだ付け工程で溶融し、電子部品を基板に固定するために使われます。ステンシル印刷機により、基板の特定の位置に均一にペーストを塗布します。

図2 PCB組立完成品イメージ

ソルダーペーストが塗布された基板に、電子部品を正確に配置します。この工程では、ピックアンドプレースマシン(P&Pマシン)を使用します。P&Pマシンは、自動化された機械で、部品をトレイやリールから取り出し、基板上の指定された位置に配置します。高精度な位置決めと高速な動作が求められます。


部品が配置された基板は、リフロー炉に通されます。リフロー炉内では、基板と部品が段階的に加熱され、ソルダーペーストが溶融して部品が基板に固定されます。加熱プロファイルは、温度と時間の設定により、最適なはんだ付け品質を確保します。リフローはんだ付けは、非接触の加熱方法であるため、部品に対するストレスが少なく、高品質な接合が可能です。


リフローはんだ付け後、基板は検査されます。自動光学検査(AOI)やX線検査を使用して、部品の位置、はんだ付け状態、接合の良否を確認します。AOIはカメラを使って基板を撮影し、プログラムによって部品の配置やはんだ付けの欠陥を自動的に検出します。X線検査は、目視では確認できない内部のはんだ接合の品質を評価するために使用されます。


検査で不良が見つかった場合、手動で修正が行われます。これには、はんだ付けの修正や部品の交換が含まれます。最終的に、組み立てられた基板は、機能テストやインサーキットテスト(ICT)を通じて、設計通りに動作するかを確認します。


SMT手法は、電子機器の製造において不可欠な技術です。自動化が進んでおり、高速かつ高精度な製造が可能です。これにより、製造コストの削減、製品の信頼性向上、小型化が実現できます。また、SMTの進化により、さらに高密度な実装や複雑な部品配置が可能となり、次世代の電子機器開発に貢献しています。しかし、初期投資が大きいため、適切な生産規模とプロセスの最適化が重要です。全体として、SMTはPCB製造の効率と品質を大幅に向上させる技術です。

4.SMT工法を用いてPCB組立コスト削減には

SMTでは部品の装着速度や精度、リフロー炉の使用状況、スループットなどが考慮されます。SMTの方の自動化が進んでいるため、一部の工程では従来方式と比べて効率が高い場合がありますが、特定の部品やプロジェクトの規模によって適切な選択が異なります。


PCB組み立てコストを節約する方法としては、設計段階での最適化が重要です。例えば、部品の共通化や標準化、部品点数の削減、製造ロットの増加、設計のシンプル化が挙げられます。また、SMTとDIPの適切な組み合わせや、アウトソーシングを利用することもコスト削減に寄与します。さらに、初期段階でのプロトタイプ検証を徹底し、不具合の早期発見と修正を行うことで、量産時のコスト増を防ぐことができます。

5.まとめ

以上の内容を踏まえると、PCBの組み立てコストは多岐にわたる要素に影響されるため、各要素を詳細に分析し、最適化を図ることが重要です。技術とプロセスの選択においてバランスを取り、コスト効果を最大化することが、競争力を高める鍵となります。

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